「オーロラを見るなら、雪が積もる真冬に行かなければならない」と思っていませんか。
実は、8月下旬頃になると夜空の暗さが戻り、オーロラ観賞を始められる地域があります。湖面に映るオーロラや色づき始めた森など、冬とは異なる風景を楽しめるのが夏秋シーズンの魅力です。
特に、湖面にオーロラが映り込む逆さオーロラ(ダブルオーロラ)を狙いたい方には、湖が凍る前の夏秋シーズンがおすすめです。風が弱く、水面が穏やかな日には、空と湖の両方に広がる幻想的な光景を見られる可能性があります。
真冬ほど気温が下がらないため、寒い場所が苦手な人や、長時間の屋外観賞に不安がある人にも、夏秋のオーロラ旅行は参加しやすい選択肢です。
ただし、8月ならどの地域でも見られるわけではありません。真夏は夜になっても空が十分に暗くならない地域があり、現地ツアーの開始時期や鉄道の運行期間も行き先によって異なります。
この記事では、夏のオーロラが見える理由、8月下旬から狙いやすい行き先、冬との違い、旅行前に確認しておきたい注意点を紹介します。
結論|夏のオーロラは8月下旬から一部の地域で狙える
結論からいうと、夏でも、空が十分に暗くなる地域と時期を選べば、オーロラを見られる可能性があります。
オーロラ自体は冬だけに発生する現象ではなく、一年を通して発生しています。ただし、地上から見るには主に次の条件が必要です。
- オーロラが発生している
- 夜空が十分に暗い
- 雲が少ない
- 街明かりの影響が少ない
高緯度地域では、6月から7月頃に白夜や薄明るい夜が続きます。そのため、上空でオーロラが発生していても、空が明るく肉眼では見えにくくなります。
8月下旬頃になると日没後の暗い時間が戻り、カナダ北部、アラスカ、フィンランド北部、アイスランドなどで夏秋の観賞シーズンが始まります。
また、夏秋は湖がまだ凍っていないため、空のオーロラが水面に映り込む逆さオーロラを狙える時期でもあります。ただし、水面が波立っている日や雲が多い日は、きれいに映らないこともあります。
ただし、「8月下旬から観賞できる可能性がある」ことと、「旅行中に必ず見える」ことは別です。オーロラの活動だけでなく、雲や雨の影響も受けるため、1泊だけではなく複数回の観賞機会を設けることが大切です。
夏秋シーズンは冬に比べて寒さが穏やかで、雪道の移動も少なくなります。防寒や足元への不安が強い人にとっては、真冬より旅行を計画しやすい時期といえるでしょう。
夏のオーロラが不安に感じやすい理由
夏は夜になっても空が明るいイメージがある
北極圏に近い地域では、夏の間は日照時間が長くなります。場所によっては深夜でも完全に暗くならないため、「夏はオーロラが見えない」という説明も完全な間違いではありません。
重要なのは、夏という季節名だけで判断するのではなく、旅行する地域の日没時刻と、夜空が十分に暗くなる時間を確認することです。
同じ8月でも、上旬は空が明るすぎる一方、下旬になると観賞ツアーが始まる地域があります。航空券を予約する前に、現地ツアーや宿泊施設の観賞プランが始まっているか確認しましょう。
雪がないとオーロラは見えない気がする
冬のオーロラ写真には、雪原や凍った湖が写っていることが多いため、雪がオーロラ発生の条件だと思われがちです。
しかし、雪や低温はオーロラの発生条件ではありません。
夏秋シーズンは湖が凍っていないため、水面にオーロラが反射する逆さオーロラ(ダブルオーロラ)を狙えることがあります。地域や時期によっては、黄葉した森や湖とオーロラを一緒に眺められるのも特徴です。
一方、犬ぞりやスノーモービルなどの冬季アクティビティは体験できない場合があります。雪景色を重視するのか、湖面に映るオーロラや寒さを抑えた観賞を重視するのかによって、適した時期は変わります。
暖かい時期なら防寒具はいらない?
日中は比較的過ごしやすくても、オーロラ観賞は深夜から明け方にかけて屋外で待つことがあります。
風のある湖畔や郊外では、実際の気温より寒く感じることもあります。真冬用の厚い防寒着が不要な日でも、フリース、薄手のダウン、帽子、手袋などを重ねられるようにしておくと安心です。
それでも、マイナス20度以下になることもある真冬と比べれば、夏秋シーズンは服装の負担を抑えやすくなります。寒いのが苦手でオーロラ旅行をためらっている人には、8月下旬から9月頃が検討しやすい時期です。
8月下旬から狙いたい夏秋オーロラの行き先
夏秋のオーロラ旅行では、オーロラの見えやすさだけでなく、日中に何をしたいかも行き先選びの大切な基準です。
| 行き先 | 観賞時期の目安 | 日中の楽しみ | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| イエローナイフ | 8月中旬・下旬頃から | 湖、ハイキング、市内散策 | オーロラ観賞や逆さオーロラを狙いたい人 |
| ホワイトホース | 8月下旬頃から | ユーコンの自然、ロッジ滞在 | 静かな環境でゆっくり待ちたい人 |
| フェアバンクス | 8月下旬頃から | アラスカ鉄道、氷河、温泉 | オーロラとアラスカ観光を組み合わせたい人 |
| フィンランド北部 | 8月下旬・9月頃から | 森、湖、ハイキング、サウナ | ガラスイグルーや北欧滞在を楽しみたい人 |
| アイスランド | 8月末・9月頃から | 南海岸、ゴールデンサークル、温泉 | 日中の絶景観光も重視したい人 |
観賞シーズンの開始時期は、その年の気象条件や催行会社によって異なります。8月下旬に旅行する場合は、希望日に観賞ツアーやロッジが営業しているか確認してください。
イエローナイフ|逆さオーロラも狙いたい人向け
カナダのノースウエスト準州にあるイエローナイフは、夏秋の代表的なオーロラ観賞地です。
湖や岩場、針葉樹林を背景にオーロラを狙え、条件が合えば湖面に光が映る逆さオーロラを期待できます。空のオーロラと水面に映るオーロラが上下に広がることから、ダブルオーロラと呼ばれることもあります。
逆さオーロラを狙うなら、湖が凍結する前の夏秋シーズンがおすすめです。ただし、オーロラの発生に加えて、雲が少なく、風が弱く、水面が穏やかであることも必要になります。
冬より気温が高く、長時間の屋外観賞に挑戦しやすい点もメリットです。
ただし、8月から9月は雨や雲の影響を受けることがあります。オーロラが発生していても雲に隠れて見えない可能性があるため、現地3泊程度を確保し、3回前後の観賞機会を設けると計画しやすくなります。
都市観光も組み合わせたい方は、イエローナイフの秋オーロラとバンクーバーを巡る7日間モデルコースが参考になります。
カナディアンロッキーまで足を延ばすなら、カナディアンロッキーとイエローナイフのオーロラを楽しむ10日間モデルコースのような周遊も可能です。
ホワイトホース|ロッジ滞在とユーコンの自然を楽しみたい人向け
カナダ・ユーコン準州のホワイトホースでは、市内から郊外へ移動する観賞ツアーのほか、敷地内からオーロラを待てるロッジも選べます。
毎晩ツアーバスで移動するのではなく、ロッジの外に出て空を確認できる滞在は、時間を気にせず静かにオーロラを待ちたい人に向いています。
夏秋は、ハイキング、湖畔散策、野生動物観察などを組み合わせやすい時期です。雪景色はありませんが、日中の大自然と夜のオーロラ観賞を両立できます。
ユーコンの自然を中心に楽しむなら、ホワイトホースの秋オーロラとユーコンの大自然を巡る7日間モデルコースが参考になります。
オーロラだけでなく街歩きや庭園、歴史ある建物も楽しみたい方には、ホワイトホースのオーロラとビクトリアを組み合わせる8日間モデルコースもおすすめです。
フェアバンクス|アンカレッジやアラスカ鉄道も楽しみたい人向け
アラスカ内陸部のフェアバンクスも、8月下旬からオーロラを狙える代表的な行き先です。郊外の観賞ロッジや温泉施設に滞在しながら、夜空を待つプランが考えられます。
フェアバンクスだけに滞在するのではなく、アンカレッジと組み合わせてアラスカを周遊するのもおすすめです。
アンカレッジからフェアバンクスまでは、アラスカ鉄道を利用するルートがあります。車窓から山々、川、森林などの自然を眺めながら移動でき、移動そのものを旅の楽しみにできます。
アンカレッジ周辺やスワード方面へ足を延ばせば、クルーズなどを利用した氷河観光も組み合わせられます。オーロラだけでなく、アラスカらしい大自然を日中にも満喫したい人に向いています。
ただし、観光客が利用しやすいアラスカ鉄道の夏季列車は、例年9月頃までを中心とした季節運行です。列車や区間によって最終運行日が異なるため、10月以降の旅行では同じ旅程を組めない可能性があります。
鉄道、アンカレッジ、フェアバンクスを一度に楽しみたい方は、アラスカ鉄道でアンカレッジとフェアバンクスを巡るオーロラ9日間モデルコースをご覧ください。
フィンランド北部|秋の自然とガラスイグルーを楽しみたい人向け
フィンランド北部のラップランドでは、8月下旬から9月頃にかけて夜の暗さが戻り、秋のオーロラ観賞を狙えるようになります。
森や湖を散策したり、サウナを楽しんだりしながら、夜はオーロラを待つ過ごし方ができます。雪が積もる前で移動しやすく、冬ほど厳しい寒さになりにくいのも魅力です。
湖の近くに滞在する場合は、条件が合えば湖面に映る逆さオーロラを見られる可能性もあります。
ガラス屋根のイグルーやキャビンに泊まり、室内から空を眺める滞在も人気があります。
クリスマスや年末年始は、サンタクロース村や雪景色を目的とする旅行者が増え、ホテルやガラスイグルーの料金が大きく上がる傾向があります。特にロヴァニエミはクリスマスシーズンの人気が高く、多くの旅行者が訪れます。
そのため、雪やクリスマスの雰囲気にこだわらない場合は、秋のほうが比較的費用を抑えてイグルー滞在を検討しやすいのがメリットです。ただし、料金は施設、客室、曜日、予約時期によって異なります。
初めてラップランドを訪れる方は、ロヴァニエミの秋オーロラとヘルシンキを巡る7日間モデルコースが組みやすいでしょう。
より北部の自然や静かな環境を重視するなら、サーリセルカで秋オーロラを楽しむフィンランド7日間モデルコースも候補です。
行き先を決めきれない場合は、フィンランド・ラップランドの秋オーロラ7日間モデルコースを参考に、ヘルシンキとの組み合わせや滞在方法を比較してみましょう。
レイキャビク|オーロラと夏ならではの絶景観光を楽しみたい人向け
アイスランドでは、8月末から9月頃にかけて夜の暗さが戻り、オーロラを狙えるようになります。
拠点となるレイキャビクからは、ゴールデンサークルや南海岸などの観光へ出かけられます。
ゴールデンサークルでは、シンクヴェトリル国立公園、ゲイシール地熱地帯、グトルフォスの滝などを巡ります。南海岸では、滝、黒砂海岸、氷河など、アイスランドらしい変化に富んだ風景を楽しめます。
冬は雪や強風によって移動に影響が出ることがありますが、夏秋は日中の時間が長く、周遊観光を組み込みやすい時期です。
そのため、オーロラだけを目的にするのではなく、日中も絶景観光をしっかり楽しみたい人にはレイキャビク滞在がおすすめです。
オーロラが見られなかった日にも、滝、地熱地帯、温泉、氷河などの楽しみを持たせやすいため、天候に旅行全体の満足度を左右されたくない人にも向いています。
具体的な旅程は、アイスランドの秋オーロラとレイキャビクを巡る8日間モデルコースを参考にしてください。
夏秋オーロラ旅行で確認しておきたい注意点
現地ツアーと宿泊施設の開始日を確認する
同じ都市でも、催行会社や宿泊施設によって夏秋シーズンの開始日が異なります。
8月中旬から始まるツアーもあれば、8月末や9月から始まるツアーもあります。航空券を先に購入すると、現地到着時にはまだ希望するツアーが始まっていない可能性があります。
旅行日を決める際は、次の順番で確認すると安心です。
- 希望都市の夜が暗くなる時期を確認する
- 観賞ツアーやロッジの営業日を確認する
- 最低催行人数や送迎対象ホテルを確認する
- 鉄道や氷河観光の運行期間を確認する
- 航空便と宿泊を組み合わせる
オーロラ観賞は3夜を目安にする
オーロラは、滞在中に毎晩見られるとは限りません。
晴れていてもオーロラの活動が弱い日があり、活動が強くても曇っていれば見えないことがあります。反対に、予報が弱い日でも短時間だけ現れる場合があります。
そのため、1回の観賞だけに絞らず、3夜程度のチャンスを持たせる旅程がおすすめです。
逆さオーロラを狙う場合は、オーロラの活動や雲だけでなく、湖面の状態にも左右されます。複数夜を確保することで、水面が穏やかな日に出会える可能性も高めやすくなります。
ただし、3夜あれば必ず見られるという意味ではありません。自然現象であることを理解したうえで、昼間にも楽しめる行き先を選ぶことが大切です。
月明かりより雲と風の影響に注意する
満月の日はオーロラが見えないと思われることがありますが、明るく活発なオーロラであれば、月が出ていても見える場合があります。
それより大きな影響を与えやすいのが雲です。厚い雲に覆われると、上空でオーロラが発生していても地上から見ることはできません。
また、逆さオーロラを狙う場合は風にも注意が必要です。風が強く湖面が波立つと、オーロラが水面にきれいに映りにくくなります。
新月の日だけにこだわって旅行期間を短くするよりも、複数夜を確保するほうが観賞機会を増やしやすくなります。
昼夜の寒暖差に対応できる服装を用意する
夏秋は真冬ほどの防寒装備を必要としないことが多いものの、夜間の屋外観賞では気温が大きく下がることがあります。
日中用の服だけでなく、次のような重ね着を準備しましょう。
- 長袖のインナー
- フリースやセーター
- 薄手または中厚手のダウン
- 風を通しにくい上着
- 帽子と手袋
- 滑りにくく防水性のある靴
特にアラスカ、カナダ北部、フィンランド北部では、8月下旬でも日本の夏とは気候が大きく異なります。
写真と肉眼では見え方が異なる
カメラは長時間光を取り込めるため、肉眼よりもオーロラの色が濃く写ることがあります。
肉眼では白い雲のように見えた光が、撮影すると緑色に写る場合もあります。強いオーロラでは肉眼でも色や動きを確認できますが、広告写真と同じ鮮やかさが常に見えるわけではありません。
逆さオーロラを撮影する場合は、空だけでなく湖面も画面に入るよう構図を調整し、スマートフォンやカメラを三脚などで固定すると撮影しやすくなります。
迷ったらオーロラ以外に楽しみたいことから選ぼう
夏秋のオーロラ旅行は、真冬の厳しい寒さが心配な人にとって検討しやすい選択肢です。
湖面に映る逆さオーロラ、秋色の森、ハイキング、鉄道、氷河、温泉など、冬とは異なる楽しみがあります。
一方、雪景色、犬ぞり、スノーモービル、クリスマスの雰囲気を期待している場合は、冬のほうが希望に合う可能性があります。
行き先に迷ったら、次のように整理してみましょう。
- オーロラ観賞や逆さオーロラを狙うならイエローナイフ
- 静かなロッジ滞在ならホワイトホース
- 鉄道、氷河、温泉も楽しむならフェアバンクスとアンカレッジ
- ガラスイグルーに比較的費用を抑えて泊まりたいならフィンランド北部
- 南海岸やゴールデンサークルの絶景も巡りたいならレイキャビク
- 真冬の寒さが不安なら8月下旬から9月頃
夏秋のオーロラ旅行では、観賞ツアー、ホテル、鉄道、国内線など、それぞれの運行日や開始時期を合わせて旅程を作る必要があります。
特にアラスカ鉄道を組み込む場合や、8月下旬に観賞シーズンが始まる地域を選ぶ場合は、航空券だけを先に予約せず、現地サービスの運行日を確認してから全体を組むことが大切です。
行き先や日数がまだ決まっていない段階でも、オーダートリップでは、寒さへの不安、希望する観賞回数、逆さオーロラを狙いたいか、日中に体験したいことなどを整理しながら旅程を考えられます。
「湖面に映る逆さオーロラを見たい」「寒さを抑えてオーロラを楽しみたい」「鉄道や氷河観光も組み合わせたい」など、希望がまとまっていなくてもご相談ください。

























